かたちのあるものと、かたちのないものと、どちらかを選ばなくちゃいけないとしたら、

かたちのないものを選べ。

東京奇譚集

東京奇譚集



久しぶりに読んだ村上作品。高校生の時には、どうにもこの人の良さが分からなかったけど、今ならこの人の良さが分かる気がする。泣かせようという表現があるわけでもなく、幸せを迎えるわけでもないのに、この本は、泣きたいような・切ないような・儚いような気持ちが沸き起こってくるもの。
ここに出てくるもの、それはいわゆるシントニーではないかと思う。シントニーとは、必要なときに必要なことが起きること。ユングシンクロニシティとは出来事全体をメッセージと受け取る点で違うのですが…と長くなるので割愛。友達に連絡しようと思って連絡したら、相手もちょーど連絡しようと思っていた、というのがシントニーの一例です。数え上げればきりがなく、自分にとって必要な出来事を繋いでいくことで、方向性や意味を得ようというものです。
人生っていろんなところに助けや救いが広がってるんじゃないかな。