生きてる ただそれだけで

同級生がこの世からいなくなりました。


授業がいっしょだったりしただけで、とくに親しい訳でもなかったですが、彼のユーモアやその感性は、いつも楽しませてくれたし、一生懸命スポーツをやっていることも知っていました。今日の昼の授業が終わった後、友人の携帯にその知らせは届いていていました。バイク事故でした。彼と同郷でいっしょの部活の男の子が、そのメールの読んでいる姿が目に焼きついています。彼は、しばらくのあいだその文面を読み返して、駆け足で教室を出て行きました。彼の足音はなによりも大きく感じました。
詳しいことはなにも分かりません。でも、もう彼の姿をキャンパスで見ることができないなんて信じられません。彼はいなくて、もう彼が歩いていくはずだったろう道は続いていかないなんて。
毎日誰かの命が消えて、誰かの命が始まるのは分かっています。誰かがいなくなっても、人が死んでも、テロが起ころうとも、それでも世界はいつも変わらずに回っている。なんて儚くて無常なんだろう。昔から多くの人がこの世の終わりや、世の中の不幸を嘆いて、言葉を綴り、絵を描き、音楽を紡いでいるけれど、それでもまだ表しきれない。なんて深いんだろう。
「ちゃんといる」ことの保障なんてなにもない。それは誰しもに言えること。でも、どうして彼なの、と考えてしまいます。

ご冥福をお祈りします。安らかに眠って下さい。